昨年末に急に値を下げてしまった日本株ですが、今年の日本株の動きはどうなるのか。
アジアで最大級の運用資産残高を誇るアセットマネジメントOneのチーフ・グローバル・ストラテジスト 柏原延行氏によれば「株価上昇が期待できる」とのことです。
参考 週刊エコノミスト
記事から要点をかいつまんで紹介すると、
・昨年の10月と12月の下落は、それぞれの契機が米国金利の上昇と下落にあり、どちらに動こうと悪材料に捉えてしまう市場の地合いの悪さが示されただけ。それだけ景気後退局面入りに対する警戒感が強まっている
・ただ、世界同時株安とまでは言えない。日経とダウの平均株価の下落率はそれぞれ10%超と9%台だったのに対し、ドイツの株価指数は5%超、中国株やブラジル株、インド株などは5%以内と軽微にとどまった。
・日本株が米国株以上に下落したのは、米長期金利の低下がドル安・円高につながり日本企業の業績にダメージを与えるという懸念が生じたためと思われる。
日本株は割安なレベルにまで下落しており、株価上昇が期待できる
・日本株の今年の動きのポイントは、米国景気が減速を超えて後退期に入るかどうかによる
・米国の景気が後退期入りする懸念の根拠はいくつか挙げられるが、しかしその警戒感は行き過ぎた懸念のように思われる。
・日本株の割高・割安を示すバリエーションは割安なレベルまで下落しており、米国の景気に対する行き過ぎた懸念が是正される局面では株価上昇が期待できると考える。
・消費増税の影響についても、選挙を控えて景気対策などが期待でき、影響は軽微になる可能性が高い
とのことで、一年を通しての動きとしては年前半に安値を見込み、年央に向けては19年中に米国景気が減速を超えて後退期にまでは陥らないというコンセンサスが形成される中で上昇し、その後は上昇と下落を繰り返すボックス圏での動きになると見込んでいるとのこと。
またその先の20年には米大統領選挙が控えており、つまり来年前半には米国でも経済への政策対応が期待できるだろうとのことです。
FRBが間違いを犯さなければ恐らくすべては上手くいく
日本株の動向を語る上で日本経済や日本企業についての期待感の話がまったくといっていいほど出てきていませんが、まあそれも前向きに捉えるならそれだけ日本経済や日本企業の経済活動には安定感があるからとも言えるのでしょう。
いずれにせよ、日本株の動向はアメリカ経済次第、ということは確かそうです。そしてそのアメリカ経済はGDPの7割を占める個人消費が安定的に推移しそうな雇用情勢にありますし、多少の浮き沈みはあるとしても明確に景気後退局面入りするとは考えづらいように思えます。
なんと言っても気になるのは、
- 米中貿易戦争の行方
- FRBの金融政策
- 日本の消費増税
あたりでしょうか。
貿易戦争は交渉の行方次第では米国GDPにもはっきり影響を与えてくるぐらいのインパクトがあるでしょうし、FRBが今後の政策金利をどうしてくるかも気になりますし、そして日本の消費増税も決して無視はできない影響があるでしょう。
どれも不確実で、消費増税ですらまだ今のところ本当に実施されるのか定かでない話になりますが。