EUはもうダメなのか? もうじきただの“大きな市場”に成り下がりそう。

欧州の落ち目っぷりがハンパなく、鮮明になってきています。欧州ではドイツが元気だと皆思っていますが、ドイツ銀行はドイツの景気後退を警告していますし、欧州委員会はユーロ圏の成長見通しを下方修正しています。

欧州委員会が発表した2019年のユーロ圏の成長見通しは、元々1.9%と低めだったのが、最新のものでは1.3%へと下方修正されました。また2017年のユーロ圏における域内総生産は、2009年の水準を下回りました。

ちなみに2009年から2017年までの間の国内総生産は、米国は34%、中国とインドはそれぞれ139%と96%という成長をしています。日本は、2017年の方が2009年より高いですが、それでもまだ90年代後半の水準より低い状態が続いています。

金の切れ目が縁の切れ目? 政治的にもバラバラに

欧州では経済面もさることながら、政治的な面でも思うような成果を挙げられないでいます。というかもうバラバラになりかけているようにすら見えます。

イギリスのEU離脱をめぐる交渉そのものはもちろん、その交渉によってイギリスでもフランスでも政治的混乱が生まれてしまいました。

中欧諸国は西欧諸国から疎外され、また大半の南欧諸国はユーロ危機の後遺症にいまだ悩まされ続けています。

もはやEUの全域で、反EU政策を掲げる政党が勢力を拡大しつつある状況です。これはそのうち、EU市民約5億人の声を代表する欧州議会がまともに機能しなくなっていってしまう可能性すらはらんでいると言えるかもしれません。

一枚岩になれないから外交力も低下

EUのそもそもの考え方として政治的な協力関係の強化がありましたが、そのためにはもちろん加盟国の結束が必要になります。

一枚岩になって、共通の政治機関の下で結束できていればこそ力強い存在になれますが、それができていない現在、外交面においてもEUの存在意義は薄れつつあります。

ロシアやトルコ、イスラエル、アラブ諸国といった近隣諸国は、EUの出す要望など意に介していません。米ワシントンにおいても欧州の影響力は目に見えて落ちています。

昨年末に破棄が発表された米露間のINF(中距離核戦力)全廃条約など、欧州でのミサイル配備を制限する条約だというのに、欧州の利害について考慮された様子が少なくともニュース報道からは感じられませんでした。

政治的、外交的な面で、欧州連合の存在感は明確に落ちてきています。

残る魅力はユーロ圏という大きな市場だけ

EUという枠組みで唯一成功したと言ってもいい施策は、単一通貨ユーロの導入でしょう。この大きな市場・消費圏は今でも変わらず魅力的で、人口約3.4億人の、GDPは日本の約4倍ある単一市場は、これからも外国企業から見ても魅力的な市場であり続けるでしょう。

逆に言えば、その魅力だけが唯一の、EUが諸外国に対して交渉カードとして持てる武器になってくるのかもしれません。

おわり

EUの現状や、それから逆にロシアや中国の強さを見ていると、政治的に一枚岩になって結束できるというのは紛れもなく“力”になるということを考えさせられます。

その意味では、今の日本が喰らっている中韓からの国内世論の分断工作が、いかに的を射た巧妙な作戦であるかが分かります。

“リベラル”だの“人権派”だのというもっともらしいワードでカモフラージュされた反日思想を、どう処理していくか。この処理にいつまでも手こずっていたら、日本は外交力を失い、世界から見てただのショボい消費市場の一つに過ぎない存在になっていってしまうのかもしれません。

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