【日本ヤバい】高スキル人材の不足が主要33ヵ国中で最悪。その原因を考えてみたら日本の将来が不安でしかない

人材サービス大手の英ヘイズによる調査で、高度なスキルを有する人材の充足度が日本は調査対象の主要33ヵ国・地域中で最下位だったとのこと。

特に人材が不足しているのは人工知能(AI)技術者やデータ分析官などの高スキル人材で、終身雇用の根付く日本ではスキルアップへの意欲が低いのではないかとの見方もあるようです。

同社がアジアの転職希望者3544人を対象に17年に行った調査では、仕事以外でスキルアップに月6時間以上を費やすと答えた割合が、中国の54%に対し日本は19%にとどまった。

引用:nikkei.com

これは労働者の質の問題なのか?
それとも環境面に何か課題を抱えているのか?

そんなことをぼんやり考えてみたら、結果的に非常にマズい現実を突きつけられたような気持ちになりました。

高スキル人材の不足は、リーダー層が明るいビジョンを示せないでいることの証

日本人といえば勤勉なイメージがありますし、実際に勤勉な方でしょう、世界的に見たら。“勤勉”という言葉の定義の違いで人によって若干の見解のズレはあるかもしれませんが、でも少なくとも「やれと言われたことをやる」ぐらいの程度の意味で言えば間違いなく日本人は「やるほう」だと言えると思います。

で、そんな日本人が、今の時代に求められる高いスキルの習得をサボっていると。一見するとそんな風に捉えられる調査結果が出ています。

なぜそんなことになるのか。

考えられる直接的な原因としては、日本の経済や労働市場に何かしらの問題があるのだろうと思われます。

「不足」の意味について

「日本で高スキル人材が不足」という現状には、次の2つと、またはその両方のハイブリッド的な問題の可能性とが考えられます。

  1. 高スキル人材の需要が多すぎる
  2. 高スキル人材の供給が少ない

まあ普通に考えて現状の日本では②が原因なのだろうと誰もが思うでしょうが、そうは言っても一応①についても考えてみます。意外と無視できないポイントなんじゃないかという気がします。

1.日本企業は高スキル人材を安易に求めすぎているのでは?

もし需要が多すぎるのだとしたら、その場合は雇用主側が高スキル人材を安易に求めすぎている可能性というのも考えられます。

“安易に求めすぎ”というのは、たとえば本来であれば年収1,500万円ぐらいは貰えて然るべき高度なスキルを年収700万円程度で求めている、とか。

または自社の目指すものに対してどの程度のスキルが必要なのかを正しく見積もることができておらず、過剰なスキルを求めているとか。

他にも一部には、機械などの設備投資に比べて人材への投資を安く見積もりすぎている傾向なんかも確実にありそうに思えます。特に中小企業なんかでは。

もし現状がそんなだったら、高スキル人材はスキルに見合わない低報酬で、存在の希少さに見合わない扱われ方をされて働くことになってしまいます。

究極的には「高い報酬を支払える雇用主が少ない」

今の時代、単に需要が多ければそれに伴って供給単価も上がるという世の中ではありません。それは「人手不足で倒産」なんて話もあることから明らかです。働き手が不足しているからといってそう易々と時給は上がりません。

“買う側”が十分に儲かっていればこそ、希少なものにはそれ相応の対価をお支払いしましょうとなれるのであって、儲けが少なかったり将来の見通しが芳しくなければ希少なものにでも割増料金は払いたくても払えません。

つまり、もし高スキル人材を“安易に求めすぎ”という場合、それは今の日本には儲けが十分にあったり将来の見通しが明るかったりする雇用主が少ないからなのかもしれません。

2.労働者から見れば「高いスキルなんて求められていない」?

次に「高スキル人材の供給が少ない」という原因について。

件の調査結果について、働く側の率直な感想としては「そもそもそんな高スキルなんて求められていないから」というような感想を抱く人も少なくないんじゃないかと思います。

調査の結果は明らかに「主要国中で最も高スキル人材が不足している」のですが、働く側から見たら「どこにそんなに需要があるの?」という。

つまり雇用する側とされる側とで認識に隔たりがある、と。

相応の対価がないのに「求められている」とは思えない

需要があるかどうか、必要とされているかどうかの認識には、労働者側の視点では「それ相応の対価を示してもらえているかどうか?」が重要になります。

たとえば高スキル人材の求人が年収500万円での募集だったら、それは働く側から見たら「求められていない」と認識しても仕方ありません。

雇う側からすれば「募集要項で求めるスキルを明示しているんだから需要があることは明白だろ」という理屈になるかもしれません。でも雇われる側からすれば「このスキルを持っていても、持たない人と同じ水準の報酬しか得られない」となれば、そのスキルには需要がないと理解するのも当然です。

仮に弁護士の求人が400万円でたくさん出ていたとして、そのたくさん出ている求人を見て「弁護士が足りてない」とは普通考えないでしょう。むしろ安い仕事しかできない、飽和していて食っていくのが大変な供給過剰の雰囲気すら感じさせられます。

“健全な需要”が少ない

そもそも今の時代は、ひと昔前みたいに目の前の仕事をがむしゃらにこなしていれば大抵の人がそれなりに豊かな暮らしができた時代とは違います。平均年収も下がる一方だし、資格取得なんかもブームになるほど盛んだったり、さらにそれをアテにした所謂「貧困ビジネス」なんかもそこら中に存在している時代です。

そんな時代に、日本の勤労者から勤勉さや向学心が無くなったなんて、そんなことはとても考えづらいです。

なのに件の調査結果では「高スキル人材が不足している」「スキルアップに励む人が少ない」なんて結果が出ているのは、それは問題の本質が「人材不足」とは別のところにあることを示唆しているとしか考えられません。

今の日本では高スキル人材が不足しているのではなく、「その希少性に見合った高い報酬を提示する求人」という、高スキル人材に対するある種の“健全な需要”が少ないということなのかもしれません。

問題の本質は「ビジョンが無い」こと

もし今の日本には高スキル人材に対する“健全な需要”が少ないとしたら、その理由は先にも触れた「十分に儲かっていて将来の見通しも明るい雇用主」が少ないからというのが最大の理由になるでしょう。

以上のことから、もしかしたら雇用する側の理屈では「高スキル人材が足りないから成長機会も逃している」と考えたりもするかもしれませんが、現実は「経済見通しが悪いから高スキル人材も不足し、その後の経済情勢もやはり見通し通りパッとしない」という結果になっているだけのように考えられます。

つまり、ざっくり言ってしまえば『経済成長のビジョンの問題』。究極的にはこれに尽きると言えそうです。

信頼に足る明るいビジョンを持てれば、企業側はそのビジョンに向かう上で重要になるスキルには堂々とそれ相応の報酬を支払えるようになるだろうし、人材側もスキルが求められていることが分かれば自ずと成長していくだろうし。

まとめ

結局、つまるところ今の日本に不足しているのは高スキル人材なんかじゃなく、明るいビジョンを示せるトップ層人材なんでしょう。いうなればスティーブ・ジョブズやイーロン・マスク、ジェフ・ベゾスのような。

「高スキル人材の不足 = 明るい将来見通しの不足」と言ってもいいのかもしれません。

サラリーマン社長が集まった経団連が幅を利かせているようでは、日本の将来は見通しが悪すぎます。

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