マダニ科のダニ対策まとめ。SFTSウイルスによる感染症の情報と、虫除けスプレーのダニへの効果について

長崎県佐世保市で70代の女性が「SFTSウイルス」の感染症により死亡したとのニュースがありました。この感染症はまだはっきり分かっていない部分も多いものの、今のところマダニ科のダニがウイルスの宿主と考えられており、ウイルスを持つダニに咬まれることにより感染すると考えられています。

ダニに咬まれたらそれだけで痛くて嫌ですが、よもやダニに噛まれた程度で命を落とす危険性もあるなんて。そんな話を聞いてしまうと山菜採りもキノコ狩りも、下手したら登山やハイキングだって怖くなってきてしまいます。

ということで、よく分からない恐怖をよく分からないままにしておくと尚さら怖いので、SFTSウイルスによる感染症の具体的な話と、どんなダニにどう気をつけたらいいのかなど、情報をまとめてみました。

SFTSウイルス感染症について知る

ニュース報道によれば件の70代女性は、先月25日に発熱や全身のだるさを訴えて病院に入院し、今月に入って死亡したそうです。

発熱や全身のだるさなんてまるで風邪みたいで、下手したらそのまま自宅で体調が回復するのを待ってしまいそうな症状ですが、25日の入院からニュースでこの件が報じられた今月10日まではわずか15日間。その間に死亡の確認や詳細な血液検査などがあったことを考えれば、本格的に体調がおかしくなってから死亡までの期間はそんなに長くないのであろうことが伺えます。

知らずに風邪だと思ってあまり何日間も自宅療養していたら、危険そうです。

SFTSウイルスの発見はまだ最近のこと

この感染症の病原体であるSFTSウイルスは、2009年に中国で原因不明の感染症が発生したことをきっかけに、2013年に病原体として特定され、SFTSウイルスと名付けられたとのこと。

2013年って、ホントつい最近ですよね。ちなみにこれは中国がウイルスの発生源だとかという話ではなく、日本でも「2005年秋から2015年3月までに感染者が100人以上いた」ことが報告されています。

参考 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とSFTSウイルス

中国のウイルスと日本のウイルスは遺伝子が似ているものの、完全に同一のものではないと考えられており、日本にもウイルスそのものは昔から存在していたと考えられています。

SFTSウイルス感染症の感染経路 – ダニが媒介?

この感染症はどこで何を通して感染するのか? というとても気になる部分についてですが、実はまだよく分かっていない部分が多いっぽいです。

たとえばSFTSウイルスはマダニ科のダニが宿主であると考えられているものの、どのマダニ種が媒介するのかは特定されてないとのこと。またそもそも、ダニに咬まれることが感染経路と考えられているのに、感染者にダニに咬まれた痕が確認できない場合もあるとのこと。

参考 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の国内での発生について

さらに、感染した患者の血液や体液との接触による人から人への感染も報告されているといいます。

SFTSウイルス感染症の症例は西日本が中心

この感染症は日本国内では2015年3月11日時点で100例以上も報告されており、そのいずれの感染者も西日本で発生しているとのこと。

とはいえマダニ科のダニは日本国内に広く分布していて、実際にSFTSウイルスを保有するマダニの分布は日本国内の広い範囲に及んでいるとのことです。

参考 <速報>重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの国内分布調査結果(第二報)

ちなみに家の中を不潔にしていて発生してしまうようなダニについても気になるかと思いますが、マダニ科のダニは主に森林や草地などの屋外に生息しており、屋内に生息するコナダニやヒョウヒダニとは分布が異なります。だから安全だと言ってしまっていいのかは分かりませんが、少なくとも家の中で何か過剰にダニを恐れるような必要はなさそうです。

SFTSウイルス感染症の日本国内での発症分布

このウイルス感染症の発症は、今のところほとんど西日本に集中しています。

2013年に山口県で報告されて以降、主に九州(宮崎県8人)、中国(山口県死者5人)、四国(愛媛県7人)地方で確認され、2015年6月に初めて京都で80歳女性(回復)、2015年9月には、初めて北陸で石川県志賀町の60歳代男性が死亡した。

引用:wikipedia.org

とはいえ15年に初めて石川県でも報告されているので、今後は他の地域でも症例が出てくるかもしれません。というか出てこないと考える方が不自然だと思うので、関東だから平気だとか考えるのは危ないと思います。

SFTSウイルス感染症の症状や致死率について

この感染症の気になる致死率は

重篤化すると死亡する。致死率は10 – 30%であると考えられている。

引用:wikipedia.org

30%未満程度と考えられているそうです。

恐ろしいのは、今のところ有効な治療薬やワクチンは開発されていないということです。
また症状としては

発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主徴とし、時に、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う。

引用:感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について – 厚生労働省

とのことで、特に高齢者は重症になりやすい傾向にあるそうです。
また潜伏期間は6-14日とみられています。

マダニから身を守る方法

このSFTSウイルスによる感染症にかからないためには、とにかくマダニに咬まれないよう注意することしか今のところできません。ということで、マダニ対策の情報を整理しておきます。

以下、国立感染症研究所から画像をお借りして、情報を整理します。

マダニの生息場所

まずはマダニがどういうところに生息しているのか。今回ニュースになった女性は自宅の庭で作業をしていたと報道されていますが、そのように屋外で草木の多い場所であればどこにでもいておかしくないようです。

マダニの生息場所

鹿やイノシシがいるような山の中に生息するのは想像に難くないですが、畑やあぜ道にも生息するとのことですので、どこであろうが注意は必要そうです。

マダニから身を守るための服装

マダニから身を守るには、とにかく肌の露出を最小限に抑えることがまず大前提になります。その上で、下図のように、たとえば上着やシャツの袖口とか、ズボンの裾。こういう部分から服の中にマダニが侵入してしまわないように注意が必要です。

マダニ対策の服装

ハイキングなどは軽装で気持ちよく行きたいものですが、開けた場所でも最低限、足下ら辺は裾を靴下の中に入れるなどして対策しておきたいものです。

マダニ対策として行いたいこと

マダニ対策として、草木の多い場所に行った後は、下図のように「ついてるかもしれないマダニを落とす」ことにも気を払いたいものです。

マダニ対策としてすること

血を吸い始めているマダニを乱暴に取り除こうとすると危険です。マダニの口器(歯みたいなもの)が皮膚の中に残って化膿や感染症の危険があります。必ず皮膚科等の医療機関へ行って適切な処置を受けてください。

マダニの咬着はピンセットで抜こうとしても簡単に抜けないぐらいに強く、それを無理に取り除いてもマダニの一部が皮膚の中に残っている可能性があります。

なかなか徹底することは現実的に難しいものがありますが、外仕事してきた後は上着を脱いで叩いたり、目視でダニなどがついていないかサッと確認する程度のことはしておきたいものです。

忌避剤・防虫剤(虫除けスプレー)はマダニに一定の効果あり

虫よけ剤の中にはダニに対して一定の忌避効果が認められているものがあるそうです。また一般的な虫除けスプレーに使われている「ディート」という成分がマダニの付着数を減少させる効果があることも分かっているようです。

マダニ対策として使える防虫剤について

…ということでちょっと調べてみたところ、具体的におすすめできる商品としては第2類医薬品である例えば以下の防虫剤などがありました。

参考 吸血害虫忌避剤「ムヒの虫よけムシペールα」の詳細

虫除けスプレーに含まれる虫除けの効果がある成分は「ディート」というもので、これはその成分が濃いほど効果があるものの、人体に無害とは言えないものなので、濃度が高いものは医薬品に指定されています。

夏に蚊よけ目的で使う際は素肌にスプレーしたりするので使いすぎに注意ですが、マダニ対策の場合は服にスプレーするので、必ず医薬品指定されている上記のような虫除けスプレーを使うようにしたいものです。

おわり

まだ分かっていないことも多いようで、またどこで咬まれても不思議じゃない、下手したらその辺の公園で咬まれたっておかしくなさそうな感じが不安ですが、とりあえず虫除けスプレーもマダニ対策に効果があるというのは朗報でした。

今まであまり使ってこなかった虫除けスプレーですが、今年からは積極的に使っていこうと思います。

ちなみに虫除けスプレーは幼児などには肌に直接吹きかけるような使い方は禁止です。裏面に記載されている注意書きをよく読んで正しく使うようにご注意ください。

以上です、
ではまた

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